東大の日本史は、よく練られた問題が多く、しかも設問方法が独特なのでかなり手こずる受験生がとても多いです。

また、直近の過去問研究だけで済ましているといろんなテーマが採用されているので「核」となる分野やテーマを

見出しにくいと思います。

しかし、30年以上東大の日本史を分析すると東大が重視する分野やテーマがあり、繰り返し出題されているのが

はっきり見えてきます。

その一つが中国の冊封体制と日本の小中華思想です。

以下にその実例をあげるのでそのつながりを実感してください!

☆中国の冊封体制(朝貢)と日本の小中華思想が根底にある問題
2009年 第一問
次の(1)〜(4)の文章を読んで,下記の設問に答えなさい。
(1) 607年に小野妹子が遣隋使として「日出づる処の天子」にはじまる国書を提出したが,煬帝は無礼として悦ばなかった。翌年再び隋に向かう妹子に託された国書は「東の天皇,敬みて西の皇帝に白す」に改められた。推古朝に天皇号が考え出されたとする説も有力である。

(2) 659年に派遣された遣唐使は,唐の政府に「来年に海東の政(軍事行動のこと)がある」と言われ,1年以上帰国が許されなかった。669年に派遣された遣唐使は,唐の記録には高句麗平定を賀するものだったと記されている。

(3) 30年の空白をおいて派遣された702年の遣唐使は,それまでの「倭」に代えて「日本」という新たな国号を唐に認めてもらうことが使命の一つだったらしい。8世紀には遣唐使は20年に1度朝貢する約束を結んでいたと考えられる。

(4) 717年の遣唐使で唐に渡った吉備真備と玄昉は,それぞれ中国滞在中に儒教や音楽などに関する膨大な書籍や当時最新の仏教教典を収集し,次の733年の遣唐使と共に帰国し,日本にもたらした。
設問
7・8世紀の遣隋使・遣唐使は,東アジア情勢の変化に対応してその性格も変わった。その果たした役割や意義を,時期区分しながら,6行以内で説明しなさい。

2003年 第一問
次の(1)〜(4)の8世紀の日本の外交についての文章を読んで,下記の設問に答えなさい。
(1) 律令法を導入した日本では,中国と同じように,外国を「外蕃」「蕃国」と呼んだ。ただし唐を他と区別して,「隣国」と称することもあった。

(2) 遣唐使大伴古麻呂は,唐の玄宗皇帝の元日朝賀(臣下から祝賀をうける儀式)に参列した時,日本と新羅とが席次を争ったことを報告している。8世紀には,日本は唐に20年に1度朝貢する約束を結んでいたと考えられる。

(3) 743年,新羅使は,それまでの「調」という貢進物の名称を「土毛」(土地の物産)に改めたので,日本の朝廷は受けとりを拒否した。このように両国関係は緊張することもあった。

(4) 8世紀を通じて新羅使は20回ほど来日している。長屋王は,新羅使の帰国にあたって私邸で饗宴をもよおし,使節と漢詩をよみかわしたことが知られる。また,752年の新羅使は700人あまりの大人数で,アジア各地のさまざまな品物をもたらし,貴族たちが競って購入したことが知られる。
設問
この時代の日本にとって,唐との関係と新羅との関係のもつ意味にはどのような違いがあるか。たて前と実際の差に注目しながら,6行以内で説明しなさい。

1992年 第一問
次の文章を読み、下記の設問に答えよ。
西暦660年百済が唐・新羅の連合軍の進攻によって滅亡したとき、百済の鬼室福信は日本の朝廷に援軍を求め、あわせて、日本に送られてきていた王子余豊璋を国王に迎えて国を再興したい、と要請した。日本の朝廷はこれに積極的に応え、翌年豊璋に兵士を従わせて帰国させ、王位を継がせた。次いで翌662年には、百済軍に物資を送るとともに、みずからも戦いの準備をととのえた。663年朝廷はついに大軍を朝鮮半島に送り込み、百済と連係して唐・新羅連合軍に立ち向かい、白村江の決戦で大敗するまで、軍事支援をやめなかった。
〔設問〕このとき日本の朝廷は、なぜこれほど積極的に百済を支援したのか。下の年表を参考にしながら、国際的環境と国内的事情とに留意して5行以内で説明せよ。
612 隋、高句麗に出兵する(→614)。
618 隋滅び、唐起こる。
624 唐、武徳律令を公布する。高句麗・新羅・百済の王、唐から爵号を受ける。
637 唐、貞観律令を公布する。
640 唐、西域の高昌国を滅ぼす。
645 唐・新羅の軍、高句麗に出兵する。以後断続的に出兵を繰り返す。
648 唐と新羅の軍事同盟成立する。
660 唐・新羅の連合軍、百済を滅ぼす。
663 白村江の戦い。
668 唐・新羅の連合軍、高句麗を滅ぼす。

2009年・2003年・1992年の問題は、それぞれが密接に関連しているのがわかりますか?

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