それでは、早大文学部の大問1で頻出する「やや難」以上の問題がどのような問題なのかを実感しましょう。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です!
2016年の大問1
1 下線a(縄文時代独自の文化・社会)の説明として誤っているものはどれか。1つ選び,マーク解答用紙の該当する記号をマークしなさい。
ア 地縁・血縁的原理から構成される集団が組織された。
イ 産地が限定される黒曜石やアスファルト,ひすい,琥珀などが交換を通じて流通した。
ウ 優れた土器製作や漆工芸の技術が発達した。
エ 石器製作や骨角器製作に優れた技術を発揮した。
オ 縄文土器に施文される縄目文様は縄文文化の大きな特徴で,縄文時代の終末期には姿を消し,弥生時代には継承されなかった。
4 下線c(自然経済に支えられて安定的で豊かな定住生活)の説明として正しいものはどれか。2つ選び,マーク解答用紙の該当する記号をマークしなさい。
ア 主に東日本ではサケ・マスの捕獲と備蓄等にもとづき安定した経済活動を営んだ。
イ 定住生活の痕跡は大規模集落や長期間の集団墓によって裏付けられる。
ウ 縄文人は季節的に集中する特定の資源に依存せず,イモ類の採集に重点化した。
エ 北海道と沖縄では豊かな自然資源に恵まれたため,その後も続縄文文化を継続できた。
オ クリやドングリなどの堅果類を季節的に利用したが,それは西日本を中心とした。
2012年の大問1
4 下線c(部族的な集合体)の説明として正しいものを2つ選び,マーク解答用紙の該当する記号をマークしなさい。
ア 機動的で部族的なまとまりを持ちながら国家を形成した。
イ 地縁的・血縁的な紐帯を基盤にして,親族組織や婚姻に基づく地方集団を構成した。
ウ 10数人程度からなる小規模集団が移動性に富んだ社会を形成した。
エ 豊かな自然資源に基づいて定住社会を形成した。
オ 平等性が広く行きわたり,位階や階層性のない完全な平等社会が形成された。
6 下線e(縄文文化との間に接触・融合が行われ)の説明として正しいものを1つ選び,マーク解答用紙の該当する記号をマークしなさい。
ア 渡来系の物品が流入して融合しただけで,人的な渡来・混血はなかった。
イ 渡来系土器と縄文式土器との融合の結果,北部九州の弥生式土器が生み出された。
ウ 渡来系住民は在来の縄文人の一部と接触したが,大部分を北方地域へ駆逐した。
エ 縄文時代の石器は渡来系石器と融合し,そのままの形で残存することはなかった。
オ 北海道方面でも弥生文化が流入し,縄文文化から弥生文化に変化した。
以上、小問4個を解いたみた「手ごたえ」はどうですか?
次回(文学部の傾向を知ろう3)では、この4問に解答・解説を行いつつ「過去問研究」の意義やどのような対策が効率的なのかを早大文学部を志望する受験生に伝えたいと思っています!