「一生役に立つ」戦略的な思考力を養う日本史の実践道場

早稲田大学 国際教養学部の日本史

注:早稲田大学国際教養学部は現在日本史の個別問題を課していませんが、吉田塾では当該学部の問題傾向が他学部にも取り入れられる可能性があることを考え、本ページはしばらく公開状態のままします。他学部を志望する受験生・受講生も一度解いてみてください。早稲田大学がどんな大学でどんな学生を欲しているかが読み取れると思います。

2018年2月の国際教養学部の問題をここで分析してみよう。

☆本学部の「傾向と対策」を読む前にまずは、ぜひ早稲田の日本史(全体分析)を読むことをお勧めします。とくに近年は、早稲田においても「共通テスト」を意識した問題作成が行われたものが散見されました。この新傾向(新形式)っぽい問題について分析したものを追加しましたので来年の本試験問題につながる可能性が高いです!

早大の国際教養学部は、2018年は、大問4つ(全40問)で、そのうち正文誤文判定問題が14問あった。早稲田の他学部と同様に早稲田特有の正誤判定問題の出来が得点(合否)を左右する。なお、記述問題も13問出題されている。特徴的なのは、

「国際教養」という看板を強く意識した問題が毎年出題されている。

①その象徴が英文史料問題で、近現代の英文史料をリード文にした大問が毎年出題されている。
②古代・近世では、対外交渉史が頻出しており、近現代では国際関係史(外交)の視点が強調された文章(史料)をリード文にした大問が定番となっている。

早大の国際教養学部を目指す人は、上記の学部側からの強い要求(この分野に強い学生が欲しい!)を素直に受けとめた対策をたてよう!

そのためにも、今ここで2018年の過去問(国際関係史)を解いてみよう。

2018年 国際教養学部

次の史料は,アメリカ在住のある日本人歴史学者が書いた手紙(草稿も含む)からの抜粋である(一部要約ないし表記を変更して現代語訳)。これを読み,後の問に答えなさい。 

① a米政府が片方的に通商条約を破棄した行為は,他国に関してなら必ず民間が反対すべき性質のもので,日本に関しても,心の中では反対の人も多くありますが,日本の中国における中国人と米国商業とに対する妨害に呆れる余り,誰も反対を明言するものはなく,かえって当国官民一般の感情のoutrageされたことの一表現として賛成している模様です。

② 満州事変の始めには人々は皆驚きましたが,はなはだしく非難するものは案外少なく,事情がわかるまで評論は差し控えている様子でした。しかし,追々日本の軍事活動が拡大するに及んで,もはや最初より日本が宣言した在住日本人の保護のためのみとは誰も見ず,一般の人は日本が満州を地域的に併合する目的だと考えています。やや考える人はこのようには断定しませんが, A の政権を駆逐して,日本が莫大な利権を得る下心だと思うようになっています。このような見解が正当ではないという日本の説明は徹底せず,どのように説明してもただ一時の美言だとしてこれを疑う傾向が次第に増し, B 事変が起こった後は急に増加しました。満州については,幸い犬養首相が簡潔に明言されたため,ききめがあったように見えます。

③ 去る3月30日北京発の電報で初めてb日本の要求二十一ヵ条なるものが逐条新聞に掲載され,これによって初めて要求が何かを知り得ました。これについて私は多くの人と問答しましたが,この要求に対する歴史的事情が説明されていないため,そのある点については,日本の要求がほとんど独逸的に専断だ,不当だと思う人士が少なくありません。

④ アメリカにおける日本に対する人気を一言で申せば,日本は韓国を圧制し,また,c満州では露国に代わって中国の主権を傷つけ,列国の利権を害しようとする傾きがあるという感情です。これには随分誤解もありますが,ともかくこれが一般の人気です。

⑤ このたびのd米国政府の提議の動機が何か,私は存じません。あるいは海備制限の世論が動いている折から,英国では日英同盟に関する議論が盛んなのを見て,二者を無造作に連結して提出したものかもしれません。

⑥ 戦争が起こるや否や,米国民は一様に独逸皇帝の責任を問い,英仏に同情を表しています。ところが,日本の独逸に対する要求が新聞紙上に現れるや,独逸に対して幾分か同情を感じるようになり,また,日本に対して不快の情を抱くようになりました。その後,日清戦争後の独逸の C に関する所為,および D 租借の事情などが新聞紙上で民間に伝わるようになりましたが,右のような感情を変える理由とはなっていません。

⑦ e日本がいよいよ独伊と軍事同盟を十年間締結したことは,有史以来の大誤失であると存じます。流星が一時輝くのに惑わされて,これに貴き祖国の運命をつないだことは,いかに東洋における不条理の希望を実現するための策だとはいえ,返す返すもこの上なく遺憾です。

〔問〕

1 下線部aの原因に関する説明として,正しいものはどれか。1つ選び,マーク解答用紙の該当記号をマークせよ。

ア 日本が北部仏印に進駐して援蔣ルートを遮断しようとしたため。
イ 日本がソ連と日ソ中立条約を結んだため。
ウ 日本が「東亜新秩序」の建設を声明し,南進政策を進めるなどしたため。
エ 日米衝突を回避するための日米交渉が不調におわったため。
オ 日本が「大東亜共栄圏」の建設を本格化したため。
正解を表示するウ(1939年、日本の北部仏印進駐⇒①1940年1月、日米通商航海条約の失効)

 

2  A は,当時,中国満州(東北地方)の実権をにぎっていた軍閥の中心人物である。その人物の姓名を漢字で記述解答用紙に記入せよ。
正解を表示する張学良(早稲田が大好きな人物)

 

3  B に該当する地名を漢字で記述解答用紙に記入せよ。
正解を表示する上海(事変)

 

4 下線部bに関連する記述として,正しいものはどれか。1つ選び,マーク解答用紙の該当記号をマークせよ。

ア 外務大臣加藤高明が中心となって中国に要求した。
イ 要求のなかには南満州を日本に譲渡することなどが含まれた。
ウ 中国の段祺瑞政権はこの要求の受け入れを拒絶した。
エ 中国ではこれに反対して,この年五・四運動がおこった。
オ アメリカなどが反対したが,日本は要求すべてを中国に承認させた。
正解を表示するア(第二次大隈内閣の時の加藤高明外相は早稲田では頻出する!)

 

5 下線部cに関連する記述として,正しいものはどれか。1つ選び,マーク解答用紙の該当記号をマークせよ。

ア 日本はロシアから旅順・大連を租借した。
イ ロシアは奉天以南の鉄道利権を日本に譲った。
ウ この地域を統治するため日本は関東統監府を設置した。
エ 日本はこの地域の鉄道経営にあてるため国営会社を設立した。
オ アメリカはこの地域の権益を日本が独占することに反対した。
正解を表示する

 

6 下線部dにもとづいて開催された会議の名称を記述解答用紙に記入せよ。
正解を表示するワシントン会議

 

7  C に該当する地名を漢字で記述解答用紙に記入せよ。
正解を表示する青島

 

8  D に該当する地名を漢字で記述解答用紙に記入せよ。
正解を表示する膠州湾

 

9 下線部eに関連する記述として,誤っているものはどれか。1つ選び,マーク解答用紙の該当記号をマークせよ。

ア この軍事同盟は近衛文麿内閣のもとで締結された。
イ ドイツ・イタリアが結んだ枢軸に日本も加わっていた。
ウ ドイツ・イタリアが結んだ防共協定に日本も加わっていた。
エ 防共協定の存在にもかかわらず,ドイツは独ソ不可侵条約を締結していた。
オ アメリカはこの軍事同盟の締結に前後して,対日経済制裁措置をいっそう強化した。
正解を表示するウ(1936年日独防共協定、その後37年に日独伊防共協定)

 

10 それぞれの手紙を時期の早いものから順に並べた組み合わせとして正しいものを下記から1つ選び,マーク解答用紙の該当記号をマークしなさい。

ア ④→③→⑥→①→⑤→②→⑦
イ ④→②→⑤→③→⑥→①→⑦
ウ ④→①→②→③→⑥→⑤→⑦
エ ④→⑥→③→⑤→②→①→⑦
オ ④→⑤→①→⑥→③→②→⑦
正解を表示するエ ④(1905年の日露戦勝利〜)⇒⑥(1914年第一次世界大戦勃発)⇒③(1915年二十一か条の要求)⇒⑤(1921年アメリカ大統領ハーディングの提唱によるワシントン会議)⇒②(1931年満州事変)⇒①(1940年1月日米通商航海条約の失効)⇒⑦(1940年9月日独伊軍事同盟)

上記の大問の中身は、繰り返し国際教養学部や他学部で出題されている最頻出事項で早稲田レベルだと「易しい大問」と言える。

「戦略的かつ効率的」な過去問研究を行って本番を迎えた人ならば、ほぼ完答できる問題と言えよう。

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一橋大学社会学部志望のAさんの場合
数学がとても苦手な彼女には、まず夏期の前半・中盤は数学の基礎固めと得意な英語をさらに磨くことを最優先した方が良いとカウンセリングで提案しました。そして、満を持して8月20日以降に「一橋大学の日本史」に向けた夏期集中講座(全5回)を設定しました。一橋で頻出するテーマを「吉田の板書」とオリジナルテキスト(一橋大のための論述お作法を知る)を駆使した講座が彼女には余程合ったいて手ごたえを掴んだようで追加講座も行うことになりました。結果、11月の一橋のオープン模試や実戦模試でも高得点を取るに至り、受験本番では数学が大問1題しか解けなかったにも関わらず、日本史をすべて完答するパフォーマンスを発揮して見事、社会学部に合格してくれました。

早稲田大学文学部・文化構想学部合格をめざすBさんの場合
彼女は、英語はそこそこ出来て国語が得意なタイプで日本史について苦手意識がとても強かったので「お試し講座」(30分)を延長して本気の「流れをつかむ板書」講義を展開したところ「目から鱗」的な感動と手ごたえを掴んでくれたようです。
そのため夏期は、各時代の政治史の流れを把握するための板書講義に特化した夏期講習を受講したところ秋以降の模試では、どんどん点数を上げて行ってくれました。
河合塾共通テスト模試は8月が34点⇒プレテストでは77点、そして、日本史が苦手な受験生にとっては、とても難しい早稲田大学の日本史でも文学部において76%(自己採点)と凄い成長を見せてくれました。

早稲田大学法学部合格をめざすC君の場合
カウンセリング(打合せ)によって導き出された現状把握の上で、英語はまずまずだけど国語が苦手(とくに早稲田の国語)なので弱点の国語をある程度カバーできるくらいに日本史で得点を稼ぐという合格戦略に則した夏期計画を立てた。
扱う時代は、近現代を中心とした。その理由は、彼の高校の進度では11月や12月にならないと昭和をやらない。しかし、早稲田の法学部は近現代分野からの出題量が多く、この時代の大問は一般的な受験生にとっては手ごわい「早稲田特有の未見史料問題」が頻出する。吉田塾で近現代分野を夏期期間に履修しておけば、11月初めから本格的に始めなければならない早稲田対策の実戦演習にスムーズに入ることが可能となる。このメリット(有効性)を強く意識した夏期講習プランと言えます。

早稲田大学商学部合格をめざすD君の場合
彼は、とにかく早稲田の商学部が断然の第一志望であることがカウンセリングで分かったので「早大商学部の日本史」において最も高い点数をたたき出すことができるようなカリキュラムを一緒に作成して行きました。
早大商学部では、近現代史の中でもとりわけ経済史に強くないとハイスコアを得ることができない大問が頻出します。そのため、短文論述問題対策(詳しい添削指導付き)も含めた「近現代の経済史」中心の夏期講習(全7回)を行いました。この効果もあってか、本番の早大商学部の論述問題(80字)では、完璧な解答文を書くことが出来た!と嬉しい報告がありました。

慶応義塾大学文学部合格をめざすEさんの場合
大問4と大問5で出題される本格的な未見史料問題(史料の読み取り)にもとづく論述問題(100字)がとても自分で対策できる自信がなく途方に暮れていたところ、ネットで検索していたら吉田塾を見つけカウンセリングとお試し講座(史料対策と「論述のお作法」)を受けてくれました。
自分の弱点補強にピッタリ合った講座をいっしょに構築していく吉田塾のスタイルを彼女はとても気に入ってくれたので、「慶応の文学部」の傾向や出題形式の則した①史料の読み取り講座(全2回)と②論述の書き方講座(3回)を設定し夏期集中講座を行いました。これにより、秋以降の志望大学対策の指針が立って安心感が得られたとの感想をもらっています。

慶応大学経済学部が第一志望のF君の場合
論述問題がない私大型の入試問題にはある程度対応できる彼でしたが、カウンセリング(無料)やお試し講座(無料添削)において論述問題が全く解けない(書けない)ばかりか、設問に関係する教科書を読んでから解答文を書いてもらっても大幅に減点される解答文しか書けないことが判明しました。
「今の自分を知ったのです」
よって、「基礎からはじめる論述問題のお作法講座」(慶応大学経済学部の日本史)を受講することになりました。この講座によって論述問題に対応できる教科書の読み込み方法を体得した彼は、秋以降急速に日本史の得点能力を上げて行くことに成功しました。

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