(一) 次の文を読み，下記の設問(1)～(6)に答えなさい。
津軽海峡を越えた北海道には，本州に稲作が伝来した後も，縄文時代以来の狩猟採集経済を基盤とした生活様式をもつ A 文化が展開していたが，北上してきた古墳時代の文化と接触したことで， B 文化へと発展した。この文化が北方の諸民族と接触することで，12～13世紀頃にアイヌ民族・アイヌ文化が成立したと考えられている。
アイヌの人々は，13世紀には津軽の港町である C を拠点とした安藤(安東)氏と交易をおこなっていた。しかし，次第に和人の圧迫が強まり，それに不満を抱いた大首長 D が1457年に蜂起した。この蜂起で， D は，和人居住域のほとんどをいったん攻め落としたものの，上之国の領主であった蠣崎氏によって制圧された。
蠣崎氏は，近世になると E 氏と改称し，徳川家康から大名として認められた。 E 藩は，石高を持たない藩であり，他藩の俸禄制度とは異なる F 知行制aを藩の基盤としていた。この制度の下では，藩や和人によってアイヌ民族に対する苛酷な収奪がおこなわれた。1669年には，アイヌ民族による大規模な蜂起が起きたが，制圧された。
明治時代に入り，新政府は，アイヌ民族の救済と保護を目的として，1899年に G 法を制定したが，アイヌ民族の文化の破壊を止めることはできなかった。この法律は，1997年にアイヌ文化振興法が制定されるまで存続した。
〔設 問〕
(1) 空欄 A および B に入る語を，それぞれ漢字で答えなさい。
続縄文
擦文
(2) 空欄 C に入る語を漢字3字で答えなさい。
十三湊
(3) 空欄 D に入る人名を答えなさい。
コシャマイン
(4) 空欄 E に入る語を答えなさい。
松前
(5) 空欄 G に入る語を漢字8字で答えなさい。
北海道旧土人保護
(6) 下線部aについて，これは家臣に対して何を知行として与える制度であったか，空欄 F に入る語を用いて，20字程度(句読点も1字に数える)で説明しなさい。
添削します
(二) 次の文を読み，下記の設問(7)～(12)に答えなさい。
1945年7月26日に米英中3カ国の首脳が発した A の受諾ののち，日本は連合国軍に占領され，GHQによって民主化政策や非軍事化政策が展開された。その後，アメリカとソ連を盟主とする東西陣営の軍事・経済・イデオロギ－等をめぐる勢力争いaが激化した。
中国内戦で共産党の優位が明らかになった1948年以降，アメリカは日本を積極的に西側陣営に組み込む政策に転換した。1950年の朝鮮戦争勃発によって在日米軍が出兵すると，アメリカの要請によって，その軍事的空白を埋めるべく B が創設された。米軍は，日本の独立が認められたサンフランシスコ講和条約と同日に調印された C に基づいて，日本への駐留を継続した。
日本国内では，世界規模で軍拡競争が激化する中での立ち位置をめぐって，保守と革新の対立構造が形成されたb。革新系では左右両派に分裂していた D 党が1955年10月に統一され，保守系でも11月に E 党が結成された。こうして，保守と革新の議席比率が概ね F ： G の状態となる，いわゆる55年体制が成立した。
〔設 問〕
(7) 空欄 A に入る語を答えなさい。
ポツダム宣言
(8) 下線部aについて，これを何と呼ぶか，漢字2字で答えなさい。
冷戦
(9) 空欄 B に入る語を漢字で答えなさい。
警察予備隊
(10) 空欄 C に入る語を漢字8字で答えなさい。
日米安全保障条約
(11) 空欄 F および G に入る数字を答えなさい。
2
1
(12) 下線部bについて，空欄 D および E に入る政党名を明記しながら，日本国憲法をめぐる保守勢力と革新勢力それぞれの主張を，50字程度(句読点も1字に数える)で説明しなさい。
添削します
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